ゆる看護師のブログ

看護師5年生です。主に看護師のことや専門知識、はたまたアラサー女子の日々のこと等をゆるく綴っていきます。雑記ブログです。

高齢患者さんの退院先ってどこ?

こんばんは。

タイトルの質問に対して、皆さまどう思いますか?

もちろん家でしょ、と思う方が多いと思います。

結論から言いましょう。実際、自宅に帰れない方はたくさんいらっしゃいます。

私が勤めている回復期リハビリテーション病棟は、急性期の病院から自宅帰るための訓練をする場所です。なので、自宅に帰れると思われる方が対象の病院となります。

しかし、入院できる期限は決められているのです。

そのため、期限内に訓練が思うように進まず、自宅では介護ができないという理由で介護施設へ行かれる患者さんも大勢います。

高齢化社会の昨今、独居老人や老老介護により自宅退院が困難となった患者さんが退院する先はどういったところがあるのでしょうか。

今回は高齢の患者さんの退院先について書いていきたいと思います。

自宅

まずは自宅ですね。これが一番理想的ではありますが、実際には問題がたくさんあります。高齢者の一人暮らしが大変なのは容易に想像できると思いますが、もしご家族がいたとしても、介護が必要になってしまった場合ご家族への負担がかかってしまうためです。それも支えるためのサービスも、もちろんたくさんあります。そういったサービスをうまく活用することで、本人にも家族にとっても負担にならないような状況を作っていくことが大切になります。

介護施設

次に、高齢者を対象にした施設です。

介護施設には

  1. 有料老人ホーム
  2. グループホーム
  3. サービス付き高齢者向け住宅
  4. 特別養護老人ホーム
  5. 介護老人保健施設

等の施設が含まれます。

1の有料老人ホームはご存知の方も多いと思います。比較的介護度が高かったり、重度な認知症を抱えているかたでも、受け入れ可能な施設となります。しかし、他の施設より費用がかかるため、入所できる方も限られています。

2のグループホームは、認知症などを患ってはいるものの、体は比較的動き、簡単な日常生活は送れる方を対象にしています。必要な介護は受けられます。

3のサービス付き高齢者向け住宅は、グループホームよりも介護が必要のない、ほぼ自立している方を対象にした施設です。ここでは、介護というよりも、安否確認や食事の提供等を行ってくれる集合住宅のような施設です。

4の特別養護老人ホームとは、原則として終身にわたって介護が受けられる場所です。介護度が高く、自分では日常生活動作(トイレや食事等)が行えない方が入居できる場所です。

5の介護老人保健施設も、介護度が高い方が入居できるのですが、4の施設との違いは期間が決められているということです。あくまで、介護老人保健施設は自宅退院までのステップであり、ゴールではありません。回復期リハビリテーション病棟でのリハビリが間に合わず、そちらに行く方も多いです。

療養型病院

この施設は、病院に近いものとなります。医療行為が必要不可欠であり、それとともに介護も必要な方が入所するところとなります。

インシュリン注射や点滴管理等が必要になるため、看護師の人数がほかの施設よりも多くなります。ふつうの病院と違うところは、治療をする場所ではなく、現状維持していく場所であるというところです。しかし、もし医療行為が必要なくなったりした場合、患者さんの状態に合わせてほかの施設へ転院することもできます。

施設は多種多様にあるものの・・・

実際はこれらの施設の数に対して、利用希望者が多いのが現状です。施設入所待ちといった方が大勢います。

今後、高齢化が進む日本ではもっと施設不足が続いていくでしょう。

そのため、現在は自宅退院を斡旋するようなサービスも増えています。

その中の一つの小規模多機能というサービスについて書いていきたいと思います。

小規模多機能とは

小規模多機能は、在宅の生活を支えるための比較的新しいサービスです。

先に挙げたように、自宅退院する方は自宅での生活が行えるようにサービスを利用している方が多いです。しかし、サービスといってもいろいろあり、どれをどのように利用していいかわかりずらいのが現状です。そんな様々なサービスを一つの事業所と契約するだけで組み合わせて活用できるのが、小規模多機能の特徴です。

また、利点としては、なじみのあるスタッフが継続してサービスを提供することで、認知症のある患者さんに安心感を持って施設を利用してもらえるといったことがあげられます。認知症の患者さんは、なじみのない対象に対して恐怖心を抱きやすく、家族がサービスを依頼しても、本人が拒否してしまうこともあります。サービスを利用できなかった分、家族がやらなくてはいけなくなるので、家族の負担も大きくなりやすいです。そういった、介護疲れ等を解決できる手段としても、活用できるサービスだと思います。

まとめ

以上が、高齢患者さんの主な退院先についての説明でした。

今まで、いろんな患者さんを見送ってきましたが、サービスや施設について知らない方が多いという印象を受けました。病院にも相談員がいますが、やはり、自分と自分の家族のことは本人が一番分かっていると思います。選択肢が増えている今だからこそ、自ら情報を集め、自分と家族にとって何が一番いい選択肢なのか考えていく必要があると思うのです。そんな意思決定にお役に立てたら幸いです。

それでは、ここまで読んでいただきありがとうございました。